4~6月の残業で社会保険料が増える?税金(所得税・住民税)まで“本当の仕組み”をやさしく整理

chatbakenshi0224
お金の悩み
4〜6月に残業すると「税金が上がって損する」って本当?

・3〜5月(4〜6月)に残業すると、あとで天引きが増えるって聞いた…

・社会保険料が上がるのは分かるけど、所得税や住民税も“固定で”上がるの?

・結局、どう働けば「損しない」?明細のどこを見ればいい?

結論:増えやすいのは「社会保険料」。所得税は“その月”の源泉が増えても年末調整で精算、住民税は基本「前年所得」で翌年に反映です。

※本記事は一般的な制度の解説です。実際の控除・税額は扶養、保険料、自治体、会社の計算方法で変わります。

本記事のテーマ
4〜6月の給与が「社会保険料」「所得税」「住民税」にどう影響するかを、誤解ゼロで整理する “4〜6月だけ頑張る/抑える”の前に、仕組み(決まり方)を理解して判断できる状態を作ります。
この記事でわかること(STEP)
  • STEP1:まず結論:増えやすいのは社会保険料、税金は“上がり方”が違う
  • STEP2:社会保険料が増える仕組み(定時決定=4〜6月平均→9月〜翌年8月)
  • STEP3:所得税が増える仕組み(源泉徴収→年末調整で精算)
  • STEP4:住民税が増える仕組み(前年所得→6月〜翌5月で天引き)
  • STEP5:損しないための“実務チェック”と、やりがちな勘違い・対策
先に結論:4〜6月残業の「影響先」はここ
  • 社会保険料:影響しやすい(4〜6月の平均で“標準報酬月額”が決まり、原則9月から翌年8月まで反映)
  • 所得税:その月の手取りは減りやすい(源泉が増える)が、年末調整で1年分を精算するので「4〜6月だけで固定で損」ではない
  • 住民税:基本は前年所得で決まるため、今年の残業は“来年”の住民税に反映されやすい
  • 対策:残業をゼロにするより、明細の見方例外(随時改定・手当の扱い)を理解してコントロールするのが現実的

「増える=全部ムダ」ではなく、手取りの減り方が“どこで/いつ”起きるかがポイントです。

STEP1:よくある誤解を一撃で整理(“税金が上がる”の中身が違う)

まず言葉の整理:「社会保険料」と「税金」をごちゃ混ぜにしない

「4〜6月に残業すると損する」と言われる理由は、社会保険料(健康保険・厚生年金)の決め方に“4〜6月”が出てくるからです。

一方で、税金(所得税・住民税)は決まり方が別物。同じ“天引き”でも仕組みが違うので、ここを分けて理解すると一気にスッキリします。

結論だけ先に:4〜6月が効くのは「社会保険料」。税金は“タイミング”がズレる
  • 社会保険料:4〜6月の給与が高い→標準報酬月額が上がる→9月以降の保険料が上がる(固定期間が長いのが痛い)
  • 所得税:給与が増えた月は源泉所得税が増えやすい→その月の手取りは減るが、年末調整(または確定申告)で年税額に調整
  • 住民税:“今年の残業”が増えれば、来年の住民税が上がりやすい(前年所得ベース)

つまり「4〜6月に残業=税金が固定で上がる」は雑すぎ。正しくは「社会保険料が上がりやすい」+「税金は別ロジックで増減」です。

STEP2:社会保険料が増える仕組み(定時決定=算定基礎が“4〜6月”)

社会保険料のキモ:「標準報酬月額」で決まる(実給料そのままじゃない)

健康保険料・厚生年金保険料は、あなたの“実際の給料”そのままで毎月計算するのではなく、標準報酬月額(等級)という区分に当てはめて決まります。

だから、4〜6月に残業が重なって平均が上がると、その後しばらく「標準報酬月額」が高い等級になり、保険料が高い状態が続くという現象が起きやすいです。

定時決定(算定基礎)とは:4〜6月平均 → 原則9月〜翌年8月に反映

一般に言う「4〜6月の残業で社会保険料が上がる」はこれです。

  • 毎年1回、会社が算定基礎届を提出して、標準報酬月額を見直す
  • その算定の材料が、4月・5月・6月に受けた報酬の平均
  • 見直した標準報酬月額は、原則として9月から翌年8月まで使われる

この「反映期間が長い」=“損した気分”の正体。だからこそ、仕組みを知って納得して働くのが大事です。

STEP3:所得税はどう上がる?(源泉徴収→年末調整で1年分に戻る)

所得税は“毎月の天引き”=仮払い。最終決着は年末調整(会社員)

給与明細にある「所得税」は、基本的に源泉徴収(毎月の仮払い)です。

残業で給与が増えた月は、源泉所得税が増えて手取りが一時的に減ることがあります。でも、会社員の多くは年末に年末調整で1年分の所得税を精算します。

つまり「4〜6月だけ頑張ったせいで、所得税が固定で上がり続ける」というより、“その年のトータル所得が増えれば年税額も増える”という当たり前の話に落ちます。

“残業したのに手取りが増えない”と感じる主な理由
  • 源泉所得税:当月の給与が増えた分、仮払いの税も増える
  • 社会保険料:標準報酬月額が上がると、以降の控除が重く感じる
  • 住民税:前年所得で決まるため、今年の住民税がもともと高い/低いで体感が変わる

“損してる”というより、天引きの内訳が変わって見えるだけのケースも多いです。

STEP4:住民税はいつ上がる?(基本は前年所得→6月から天引き)

住民税は「今年の給料」で即決まらない。多くは“前年所得”がベース

住民税(市民税・県民税)は、一般に前年(1月〜12月)の所得をもとに計算され、会社員は特別徴収(給与天引き)で納めます。

そして、その天引き期間は多くの場合毎年6月〜翌年5月

なので「4〜6月に残業したら住民税が上がる?」は、正確には“今年の残業が多い→来年の住民税に影響しやすい”です。

例:今年の残業が住民税に反映されるタイムライン(イメージ)

ざっくり、こんな流れでズレます。

  • 2026年4〜6月:残業が増える(今年の給与が上がる)
  • 2026年12月:年末調整で所得税の年税額を精算(会社員)
  • 2027年5月ごろ:住民税の税額通知(会社→本人へ渡ることが多い)
  • 2027年6月〜2028年5月:住民税が給与から天引き

「今の残業 → 住民税がすぐ上がる」ではなく、“翌年に来る”ので、手取り計画はここまで見ておくとラクです。

結局どれが増える?4〜6月給与の影響を1枚で比較
項目決まり方(ざっくり)4〜6月の影響いつ効く?
社会保険料標準報酬月額(等級)影響しやすい(定時決定の材料)9月〜翌年8月
所得税源泉徴収→年末調整で精算その月の天引きは増えやすい当月〜年末調整
住民税前年所得がベース(特別徴収)今年の残業は翌年に影響しやすい翌年6月〜

※細部は自治体・会社の処理(締め日、支給日、控除タイミング)でズレます。大枠はこの通り。

STEP5:損しないための実務チェック(明細の見方・例外・対策)

まずはここ:給与明細で“増えた原因”を分解する(感情→数字)

「残業したのに手取り増えてない!」となったら、まず明細を“分解”します。

  • 支給:基本給/残業代/各種手当(役職、資格、インセンなど)/通勤手当
  • 控除:健康保険/厚生年金/雇用保険/所得税/住民税/その他(組合費等)
  • 差分:先月比で「どれが増えたか」をチェック(支給が増えてるのに控除が増えてるパターンを特定)

“何が”あなたの手取りを削っているのかが分かれば、対策もズレません。

社会保険料の例外:ずっと4〜6月だけで決まるわけじゃない(随時改定など)

勘違いされがちですが、標準報酬月額は「定時決定(年1回)」だけで固定ではありません。

  • 昇給・降給が大きい:条件を満たすと「随時改定(いわゆる月額変更届)」で途中変更されることがある
  • 働き方が変わった:固定給の変更、手当の恒常化などで途中から等級が見直される場合も
  • 産休/育休の終了:終了時改定の仕組みで見直されることもある

「4〜6月だけ気をつければ一生安泰」ではなく、現実は“働き方の変化”で動きます。

“対策”の考え方:残業を削るより、損益が合う形に寄せる

ここからが現実ライン。4〜6月に残業を完全に避けるのが難しい人がほとんどです。

なので、発想はこう。

  • 残業をゼロにする → 会社・現場的に無理が出やすい
  • 明細の構造を理解して“納得できる働き方”にする → 続くし、迷いが減る

具体的には次の3つが効きます。

  • ① 目標を“手取り”じゃなく“年収/年間手取り”で見る:所得税は年末調整で整う。住民税も翌年反映。短期の手取りだけで判断しない
  • ② 繁忙期の出方を把握:毎年4〜6月が高くなりがちなら、「年間平均」での調整ができるケースもある(会社側の手続き領域)
  • ③ 例外の可能性を把握:大きな昇給/手当変更がある年は“定時決定以外”で変わることもあるので、人事・総務の説明を取りに行く

※ここは“脱法テク”じゃなく、制度理解とコミュニケーションで損を減らす話です。

ワンポイント:不安なら「どれが上がった?」をこの順に確認

①社会保険(健康保険/厚生年金)が前月と変わったか → ②所得税が増えてないか(その月の仮払い) → ③住民税は前年所得ベースなので“今年の残業”ではなく“去年の所得”を思い出す。

まとめ:4〜6月残業の“真実”はこれ
  • 4〜6月の給与は、社会保険料に影響しやすい(定時決定の材料になりやすい)
  • 所得税は源泉で一時的に増えても、年末調整で年税額に精算される
  • 住民税は前年所得がベース。4〜6月の残業は基本“翌年”に効く
  • 損しないコツは「残業を避ける」より「明細を分解して、増え方を理解する」

手取りの違和感は、仕組みが分かるとかなり解消できます。次はあなたの明細(数字)に当てはめて確認していきましょう。

関連記事
マイクロ法人の作り方|社会保険を下げる“現実ライン”と失敗パターン

「社会保険料が重い…」と感じた人向けに、制度の考え方と現実的な選択肢を整理しています。

記事を読む
関連記事
タイミー完全ガイド|始め方〜稼ぎ方まとめ(スキマバイトの基礎)

副業・スキマバイトの“手取り”を考えるなら、税金・保険の基礎とセットで理解すると迷いません。

記事を読む

よくある質問(FAQ)

Q. 4〜6月は残業しない方が得ですか?

A. 社会保険料だけを見ると、4〜6月の平均報酬が上がるほど9月以降の保険料が上がりやすいのは事実です。ただし、残業を抑えることで年収が下がり生活が苦しくなるなら本末転倒。制度を理解した上で「年間トータル」で判断するのがおすすめです。

Q. 4〜6月に残業したら、所得税や住民税も“固定で”上がりますか?

A. 所得税は毎月の源泉徴収で増減しますが、会社員は年末調整で1年分を精算します。住民税は多くの場合、前年所得を元に翌年6月から天引きされるので「今年の4〜6月だけで固定で上がる」というより“前年・当年の所得合計”に連動します。

Q. 残業したのに手取りが増えないのは違法ですか?

A. 違法とは限りません。社会保険料や源泉所得税など控除が増えると、手取りの伸びが小さく見えることがあります。まずは給与明細で「支給の増え方」と「控除の増え方」を分解して確認しましょう。

Q. 住民税が急に上がったのは、最近の残業のせいですか?

A. 多くの場合は前年所得がベースです。たとえば今年6月からの住民税は、昨年1月〜12月の所得で計算されるのが一般的。最近の残業は、むしろ“来年”の住民税に影響しやすいです。

Q. 自分のケースで、どれが増えたのか最短で確認する方法は?

A. 給与明細の「健康保険・厚生年金」「所得税」「住民税」を前月と比較してください。社会保険が増えていれば標準報酬月額の見直しが関係している可能性が高いです。所得税はその月の仮払い、住民税は前年所得ベースを疑うと原因特定が早いです。

ABOUT ME
YAMADA
YAMADA
証券会社勤務
証券会社勤務。
制度×数字で、お金の判断を分かりやすく。

家計改善から新NISA・投資信託まで、再現性のある考え方を中心に発信しています。 読者が「自分で判断できる」状態になることをゴールに、用語・仕組み・手順を丁寧に整理します。

保有資格:FP2級/日商簿記2級/証券外務員/貸金業務取扱主任者
記事URLをコピーしました