ボーナスからこんなに税金引かれるのはなぜ?額面と手取りの仕組みをやさしく解説

「ボーナス40万円支給って書いてあるのに、手取りは33万円…」
「こんなに税金と社会保険で引かれるのおかしくない?」
毎年、明細を見てショックを受ける人、多いと思います。
- ボーナスの「額面」と「手取り」がこんなに違う理由
- 賞与から引かれているものは何か(社会保険料・所得税)
- 「ボーナス40万円なら手取り◯◯万円」くらいのざっくり目安
- 手取りを少しでも増やすために、今からできる現実的な対策
「なんとなくいっぱい引かれてる」だけだとイライラしますが、
仕組みが分かると、
- どこまでが“しょうがないコスト”で
- どこからが“自分でコントロールできる部分”なのか
が見えてきます。
ボーナスの明細、そもそも何が引かれている?
まず、賞与から引かれている主な項目はこの3つです。
- 社会保険料(健康保険・厚生年金・雇用保険など)
- 所得税(ボーナス専用の税率表で計算)
- 会社によっては、住民税や社内積立など
このうち、
- 一番大きいのが社会保険料
- その次に来るのが、ボーナスにかかる所得税
です。
① 社会保険料:ボーナスにもガッツリかかる
ボーナスにも、
- 健康保険
- 厚生年金
- 雇用保険
などの社会保険料がかかります。
おおざっぱな感覚だと、
ボーナス額面の「だいたい15%前後」
が、社会保険料として引かれているイメージです。
(正確な割合は加入している保険や地域によって少し変わります)
例えば、ボーナス額面が40万円なら
- 社会保険料:およそ6万円前後
というケースも多く、「まずここでドンと持っていかれる」のが手取りが減る大きな理由です。
② 所得税:ボーナス専用の税率表で計算される
ボーナスにかかる所得税は、
「直近の給料をもとにしたボーナス専用の税率表」
で計算されます。
イメージとしては、
- 普段の月給の所得税率が高い人 → ボーナスの税率も高め
- 月給がそこまで高くない人 → ボーナスの税率もそこまで高くない
という感じです。
たとえば、先ほどの例と同じくボーナス40万円の場合、
- 社会保険料:6万円前後
- 所得税:7,000円前後
という明細なら、合計で約6.7万円が控除され、
- 40万円 − 6.7万円 = 手取り 約33.3万円
になります。
「ボーナス額面 − 控除合計 = 手取り」なので、
最初の画像のように、どの金額帯でもだいたい15〜20%くらい差が出ているのが分かると思います。
ざっくり「ボーナス額面→手取り」の目安
細かい計算は会社や加入している保険によって違いますが、
ざっくりとした目安はこんなイメージです。
- ボーナス 20万円 → 手取り 約16〜17万円
- ボーナス 40万円 → 手取り 約33万円
- ボーナス 60万円 → 手取り 約49万円
- ボーナス 80万円 → 手取り 約62万円
- ボーナス 100万円 → 手取り 約71万円
どの金額も、
- 社会保険料:ボーナスの約15%前後
- 所得税:数千円〜数万円
が引かれた結果、「額面の8割くらいが手取りになる」ことが多いです。
つまり、
- ボーナスは2割くらい「社会保険+税金」に持っていかれる前提で考えておく
と、明細を見たときのショックが少し和らぎます。
「ボーナスだけ税金が高い」のではなく、見え方の問題
よく
「ボーナスだけ、税金取りすぎじゃない?」
と言われますが、実は
- 社会保険料 → 月給にも同じようにかかっている
- 所得税 → ボーナス専用の計算方法ではあるが、年トータルの所得税額の中で調整される
という意味で、ボーナスが特別に「別枠で重税」になっているわけではありません。
ただ、
- 普段の給料は毎月じわっと引かれているのに対して
- ボーナスはまとまった額から一気に引かれる
ので、体感として
「せっかくのご褒美なのに、かなり持っていかれた…」
と感じやすいのが正直なところです。
ボーナスの手取りを増やす“魔法”はない。それでもできること
正直な話をすると、
- 社会保険料 → 法律と年収でほぼ決まる
- 所得税 → 年収・扶養・保険料などで決まる
ので、「ボーナスだけ税金を減らす裏技」みたいなものはありません。
とはいえ、
年単位で見れば「手取りを増やす工夫」はちゃんとあります。
① ふるさと納税で「来年の住民税」を実質的に減らす
ボーナスの明細には乗りにくいですが、
住民税は前年の所得をもとに決まるので、
- 今年のうちにふるさと納税をしておく
ことで、翌年分の住民税から控除が受けられます。
結果として、
- 同じ年収なのに、来年の手取り(給料+ボーナス)が少し増える
という形で効いてきます。
② 新NISAやiDeCoで「そもそも税金がかからないゾーン」を作る
ボーナスで投資信託や株を買うなら、
- 新NISA(売却益・配当が非課税)
- iDeCo(掛金が所得控除になって所得税・住民税が軽くなる)
など、税金面で有利な枠を使う方が圧倒的にコスパがいいです。
「ボーナスから税金は取られる前提。そのうえで、残ったお金を税金のかかりにくい場所に置き直す」というイメージですね。
③ ボーナスを“なんとなく消えるお金”にしない
いちばんもったいないのは、
- ボーナスが出るたびに、なんとなくご褒美消費で全部溶ける
パターンです。
おすすめは、ボーナスをざっくり3分割してしまうこと。
- ① 将来の自分を守るお金:30〜50%(貯金・投資・iDeCoなど)
- ② 近い将来に備えるお金:30〜40%(家電・引っ越し・車検などの積立)
- ③ 今を楽しむお金:10〜30%(旅行・趣味・推し活など)
こうしておくと、
- 税金で減ったショックはありつつも
- 「それでも残りをどう使うか」は、自分で決めてコントロールしている
感覚が持てるようになります。
まとめ:ボーナスから引かれているのは「将来の保険料」と「今年の税金」
最後に、ポイントをまとめます。
- ボーナスからガッツリ引かれているのは、主に社会保険料+所得税
- 社会保険料はボーナスにもかかり、額面の約15%前後が引かれるイメージ
- 所得税はボーナス専用の税率表で計算され、収入が高いほど税率も高くなる
- 結果として、ボーナスの手取りは「額面の8割くらい」になりやすい
- ボーナスだけが特別重税というより、「普段の給料分の保険と税金を、まとめて払っている」イメージに近い
- それでも手取りを増やしたいなら、ふるさと納税・新NISA・iDeCoなど「税金が軽くなる仕組み」を組み合わせるのが現実的
ボーナス明細を見て落ち込むのは、ある意味みんな同じです。
ただ、
「なんでこんなに引かれるの?」と仕組みを理解しておくことで、
その後の使い方・守り方・増やし方が大きく変わってきます。
せっかくのボーナス、税金でガッツリ持っていかれても、
残った分をどう活かすかは自分次第。
この記事をきっかけに、ボーナスの使い道を一度見直してみてもらえたらうれしいです。
※本記事は一般的な仕組みを説明したものであり、実際の税額・社会保険料は年収や扶養家族の有無、加入している保険などによって異なります。正確な金額は、ご自身の給与明細や会社の人事・総務、税務署・市区町村などにご確認ください。






