一口馬主って儲かるの?|仕組み・費用・現実とロマンを投資目線で正直レビュー

「一口馬主、ちょっと憧れる…でも実際のところ儲かるの?」
競馬が好きなら、一度は考えたことがあると思います。
先にぼくのスタンスをハッキリ言うと、
- 一口馬主は「投資」より「ロマンと推し活」を楽しむ趣味と割り切った方がいい
- 黒字になる人もいるけれど、トータルでプラスは少数派と言われている
- お金を増やしたいなら、新NISA×インデックス投資や副業の方が圧倒的に効率的
- そのうえで、生活費とは完全に切り離した「余裕資金」でやるならアリ
この記事では、
- 一口馬主のざっくりした仕組み
- いくらぐらいお金がかかるのか
- どれくらいの感覚で「儲かる・儲からない」を考えるべきか
- やる前に知っておきたいメリット・デメリット
- もしやるなら、どんな予算感・メンタルで始めるといいか
を、「競馬は基本ロマン、資産づくりは投資・副業」というスタンスでまとめていきます。
関連記事:
→ 競馬って本当に稼げるの?新NISAと比べてみた話
一口馬主って?ざっくり仕組みを3行で
ざっくり言うと、一口馬主はこんな仕組みです。
- クラブが「この馬を◯◯口に分けて募集します」と出資を募る
- 出資した人は口数に応じて賞金や分配金を受け取れる権利を持つ
- その代わり、購入費+維持費も口数に応じて負担する
イメージとしては、「1頭のサラブレッドをファンみんなで共同所有する仕組み」ですね。
クラブごとに違いはありますが、
- 400口や500口などに分けて募集される
- 1口あたりの出資金は、数万円〜十数万円くらいが多い
- デビュー後は、毎月の「預託料・保険料」などの維持費も発生
- 獲得賞金はクラブ取り分などを引いたうえで、出資者に分配
というのが基本的な流れです。
一口馬主はいくらかかる?ざっくり費用感
① 初期費用(出資金)
募集時に必要なのが出資金。クラブや馬の血統・人気によってかなり差がありますが、
- お手頃な馬 → 1口 1〜3万円台
- 人気血統・期待馬 → 1口 5〜10万円以上
みたいなイメージです。
例えば「1口5万円・400口募集」の馬に1口出資すると、
- 初期費用:5万円
からスタート、という感じですね。
② 維持費(毎月のコスト)
出資して終わりではなく、デビュー前の育成〜現役中は毎月の維持費がかかります。
- 育成牧場や厩舎への預託料
- 餌代・装蹄・診療費など
- 保険料・クラブの運営費
これらがまとめて「1口あたり◯千円」という形で請求されるイメージで、
- 1頭あたり月2,000〜1万円前後(クラブ・口数・状態で変動)
くらいを見ておくと現実的です。
③ トータルでどれくらい?
例えば、
- 出資金:5万円
- 維持費:月5,000円 × 3年=約18万円
だとすると、
→ 1頭にトータル「20万円前後」投じるイメージになります。
もちろん、もっと安く・短期間で引退する馬もいれば、
GⅠ戦線で長く稼ぎ続けてくれる馬もいて、パターンは本当にさまざまです。
一口馬主って儲かるの?現実的なイメージ
黒字になる人は「いるけど少数派」
ネットの体験談やクラブの実績を見ると、
- トータルで回収率100%超(=黒字)の人:少数派
- なんとかトントン〜少しマイナス:それなりにいる
- 普通に大きくマイナス:かなりいる
という印象です。
理由はシンプルで、
- そもそも競走馬はケガ・病気・成長遅れのリスクだらけ
- 賞金はクラブ取り分などを引かれてから分配される
- そもそも賞金をバンバン稼げる馬自体が少ない
からです。
「数頭出資したら、そのうち1頭が大当たりして全体のマイナスをまくる」
みたいな世界観に近く、宝くじやベンチャー投資の感覚に近いものがあります。
「回収率」のイメージで考える
一口馬主でも、基本は普通の馬券と同じく回収率で考えるのが大事です。
- 回収率=(分配金の合計)÷(出資金+維持費の合計)×100%
例えば、
- 出資・維持費トータル:20万円
- 受け取った分配金:10万円
なら、回収率は50%。
「重賞を1勝してくれた」「何度も掲示板に来てくれた」といったロマンはプライスレスですが、
お金だけを見ると半分くらい戻ってきた感覚になります。
一口馬主のメリット|ロマンと楽しみは本物
ここまでお金の話ばかりしましたが、
一口馬主の楽しさ・ロマンもちゃんとあります。
① 自分の馬としてレースを見られる
- 「出資馬が◯レースに出走!」という通知が来るたびにテンション爆上がり
- パドック・返し馬・レースを、完全に「自分の馬」として見られる
- 普通の馬券とは違う、親目線・オーナー目線のドキドキが味わえる
② 口取り・表彰式・牧場見学などの特典
- 重賞を勝つと口取り式(ウイナーズサークル)に参加できることも
- クラブの牧場見学ツアーなどで、愛馬に会いに行ける
- 馬名募集に参加できたり、クラブ会報で成長を追えたりする
こういった体験は、お金換算できない「人生の思い出」になるので、ここに価値を感じる人にとってはめちゃくちゃ魅力的です。
デメリット・注意点|ここを理解せずに始めるとキツい
① 思ったよりお金がかかる
さっきの例のように、
- 出資金+維持費で1頭20万円前後
くらいは普通にありえます。
しかも、
- ケガや体調不良で、ほとんど走れず引退してしまう馬もいる
- その場合でも維持費はかかる
ので、「走らないのにお金だけ出ていく」期間も覚悟が必要です。
② 情報格差はどうしてもある
クラブからの近況報告はもらえるものの、
- どの血統・育成方針が将来伸びるか
- クラブや厩舎との相性・傾向
などは、やっぱり経験者ほど有利です。
「なんとなく有名な血統だから」「SNSで話題だったから」だけで出資すると、
思った以上に回収率が悪かった…ということも全然あります。
③ 気づいたら「引くに引けない状態」になりやすい
一口馬主を始めると、
- 1頭目が不完全燃焼 → 「次こそは」と2頭目・3頭目に手を出す
- 活躍馬が出ない → 「どこかで1頭くらい大物を…」と出資が増える
というパチンコ・スロットと似た沼にハマりやすいです。
「ここまで出したんだから、せめてどこかで回収したい」
という気持ちが働くと、冷静な判断が難しくなります。
どんな人に向いてる?どんな人はやめた方がいい?
向いている人
- 毎月ちゃんと貯金・投資をしたうえで、さらに余裕資金がある人
- 「お金」より「体験・思い出」に価値を感じるタイプ
- データを見るのが好きで、血統や育成過程を追いかけるのが楽しい人
- 推し活感覚で、愛馬の成長を長く見守りたい人
向いていない人
- 今の時点で貯金がほとんどない人
- クレカリボ払いやカードローンがあるなど、借金を抱えている人
- 「一発当てて楽に稼ぎたい」気持ちが強い人
- 負けが込むとムキになってしまうタイプの人
こういう人は、まずは新NISA・副業・スキルアップにお金と時間を使った方が、
結果的に人生トータルの回収率は高くなると思います。
もし一口馬主をやるなら|3つのマイルール
それでも「ロマンに賭けてみたい!」という人向けに、
ぼくならこうする、というルールを3つに絞りました。
- 生活費・投資資金とは完全に分けた「ロマン枠」を決める
- まずは1〜2頭まで。クラブを分散しすぎない
- 回収率はあくまで「確認用」。マイナス前提で楽しむ
① ロマン枠はいくらまで?
目安としては、
- 「手取り月収の5%以内」×「年間1〜2頭」
くらいにしておくと、メンタル的にもだいぶラクです。
例えば手取り25万円なら、
- ロマン枠:月1万2,000円くらいまで
- その中から維持費+出資金をやりくりする
みたいなイメージですね。
② クラブ・頭数を増やしすぎない
いきなり複数クラブに手を出すと、
- 請求がバラバラに来て、自分でもいくら使っているか分からなくなる
- 情報を追い切れず、なんとなく出資してしまう
といった沼が待っています。
最初は気になるクラブ1つ+1〜2頭までに絞って、
「自分に合うかどうか」をじっくり確かめるのがおすすめです。
③ 「回収できたらラッキー」くらいの距離感で
一口馬主で大きく回収できる人も確かにいますが、
それは全体の中の一部の人たちです。
「マイナスじゃなかったらラッキー」「プラスになったら奇跡」
くらいのスタンスでいれば、結果がどう転んでも楽しめます。
まとめ:資産づくりは投資、一口馬主は「ロマン代」と割り切る
最後に、この記事の内容をまとめます。
- 一口馬主は、お金だけ見れば「儲かる人は少数派」の世界
- 出資金+維持費で、1頭あたり20万円前後かかるケースも普通にある
- その一方で、「自分の馬」としてレースを応援できるロマン・体験は唯一無二
- 向いているのは、余裕資金があって体験に価値を感じる人
- やるなら生活費と完全に切り離したロマン枠で、頭数を絞って楽しむのが大事
ぼくの結論は、やっぱりここに落ち着きます。
・週末のごほうび&ロマン:馬券&一口馬主(ロマン枠の範囲内)
「一口馬主で人生逆転!」ではなく、
「一口馬主で競馬ライフをちょっとだけ贅沢に」くらいの距離感で付き合えたら、
お金的にもメンタル的にも幸せだと思います。
このブログでは、競馬と投資のリアルな距離感や、
サラリーマンでもできるコツコツ副業・資産運用の話も発信しているので、
よかったらそちらもあわせて読んでみてください。
※この記事は、一口馬主や特定クラブへの出資をすすめるものではありません。
参加する際は、必ず最新の募集要項・規約を確認し、生活に支障のない範囲の余裕資金で自己責任のもと判断してください。

