お金のプロ目線で見る保険の種類一覧|本当に必要な保険・いらない保険の考え方

「とりあえず勧められた保険に入ってるけど、中身はよく分かってない…」
「毎月1〜2万円くらい保険料が落ちてるけど、本当にこのままでいいのかな?」
こんなふうに、保険にお金は払っているのに、実は内容をちゃんと把握していない人はかなり多いです。
しかも今は、生命保険・医療保険・がん保険・就業不能保険・自動車保険・火災保険…と、種類が多すぎて、
- 結局どれに入ればいいのか
- どこから見直せばいいのか
分からなくなりがち。
そこでこの記事では、まずは「保険の全体マップ」をざっくり整理しつつ、
- どんな種類の保険があるのか
- その中で「本当に必要度が高い」ものはどれか
- 人によっては「優先度が低い」「いらない」保険はどれか
という考え方をまとめていきます。
細かい商品の比較よりも、まずは「保険とどう付き合うかの軸」を作りたい人向けの内容です。
- 保険は「全部入る」じゃなく、“人生が大きく崩れるリスク”だけをカバーするのが基本
- まず公的保険でどこまで守られているかを押さえて、足りない分だけ民間で補う
- 優先度が高いのは「賠償(自動車/個人賠償)」「住まい(火災)」「家族がいる場合の死亡保障」など
- 医療・がん・就業不能などは貯金額/家族構成/働き方で必要度が変わる
細かい商品比較よりも、まずは「保険とどう付き合うかの軸」を作っていきます。
保険はざっくり3レイヤーで考える
保険は細かく分けると無限に種類がありますが、ざっくり分けると次の3レイヤーで考えるとスッキリします。
- 公的保険(国が用意しているインフラ)
- 民間の「人」を守る保険(生命・医療・就業不能など)
- 民間の「モノ・事故」を守る保険(車・家・賠償など)
大事なポイントは、
すべてに入る必要はなく、「人生が大きく崩れるリスク」だけを保険でカバーする
という考え方です。
- 公的保険で守られる範囲を先に確認
- 次に「足りない部分」だけを民間で補う
- “起きたときの金額がデカすぎる事故”は保険で守る
まずは「公的保険でどこまで守られているか」を押さえたうえで、足りない部分だけ民間保険で補うイメージを持っておくと、ムダな保険にお金をかけにくくなります。
まずは公的保険でどこまで守られているか確認する
日本に住んでいる以上、ほとんどの人はすでに公的保険に加入しています。代表的なのはこのあたりです。
- 健康保険:病院の窓口負担が原則3割になる+高額療養費制度
- 介護保険:40歳以上から負担し、要介護になったときのサービスをカバー
- 年金保険:老齢年金だけでなく、障害年金・遺族年金も含む
- 雇用保険:失業したときの給付、育児休業給付など
- 労災保険:仕事中・通勤中のケガや病気の補償
特に見落とされがちなのが、
- 高額療養費制度(医療費が一定額を超えたら、超えた分はあとから戻ってくる仕組み)
- 遺族年金・障害年金(もしものとき、遺族や本人を支える公的な年金)
です。
- 「入院したら何百万円も自己負担になるかも…」と不安で保険を積み増ししがち
- でも実際は、公的保険で“想像よりかなり守られている”ケースが多い
- 民間保険は「公的で足りない穴」だけを埋める感覚がちょうどいい
「入院したら何百万円も自己負担になるんじゃ…」と不安になって、民間の医療保険に入りすぎてしまうパターンも多いですが、日本の医療はすでに公的保険でかなり守られていることは一度押さえておきたいポイントです。
このあたりは、今後別の記事で
- 高額療養費制度を分かりやすく解説する記事
- 遺族年金・障害年金のざっくり受取イメージを解説する記事
も作って、リンクでつないでいく予定です。
「人」を守る民間保険の種類一覧
公的保険でカバーしきれない部分を補うのが、民間の保険です。まずは「人」を守る保険から見ていきます。
- 生命保険(死亡保険)
亡くなったときや高度障害になったときに、お金がまとまって支払われる保険。定期保険・終身保険・収入保障保険などタイプがある。 - 医療保険
入院・手術などのときに「1日〇〇円」「手術一時金〇〇円」といった形で給付される保険。 - がん保険・三大疾病保険
がん・心筋梗塞・脳卒中など、重い病気に特化した保険。一時金タイプや、通院・入院に備えるタイプがある。 - 就業不能保険・所得補償保険
病気やケガなどで長期間働けなくなったときに、毎月の生活費を補う保険。 - 民間の介護保険
要介護状態になったときに、一時金や年金形式で給付を受けられる保険。 - 学資保険
子どもの教育費を積み立てながら、万一のときの保障もセットになっている保険。 - 個人年金保険
働いているうちに積み立てておき、老後に年金のように受け取るタイプの保険。
- 家族がいるなら → 死亡保障(収入保障など)の優先度が上がりやすい
- 貯金が少ない/単身で収入が止まると厳しいなら → 就業不能を検討
- 医療/がんは「貯金+公的」でどこまで耐えられるかで決めるとブレにくい
この記事では細かい商品比較までは踏み込みませんが、今後それぞれについて、
- 本当に入るべき人・入らなくてもいい人
- 入るならどんなタイプを選ぶのが現実的か
などを個別記事で深掘りしていく予定です。
「モノ・事故」を守る民間保険の種類一覧
次に、「モノ」や「事故」に備えるタイプの保険です。
- 自動車保険(任意保険)
自動車を運転する人向けの保険。対人・対物賠償、車両保険、人身傷害などの補償がある。自賠責保険とは別物。 - 火災保険
火事・落雷・風災・水漏れなどによって、建物や家財が被害を受けたときの保険。持ち家の人は特に重要。 - 地震保険
地震・噴火・津波による損害をカバーする保険。火災保険にセットして加入する。 - 個人賠償責任保険
日常生活で他人にケガをさせてしまったり、他人の物を壊してしまったときの賠償責任をカバーする保険。自転車保険がこの中に含まれていることも多い。 - 旅行保険(国内・海外)
旅行中の病気・ケガ・盗難・携行品トラブルなどをカバーする保険。 - 傷害保険
仕事・プライベート問わず「ケガ」による入院・通院・後遺障害などに備える保険。 - ペット保険
ペットの病気・ケガなどの治療費を一部カバーする保険。
こちらも、「車に乗るなら自動車の対人・対物賠償はほぼ必須」のように、優先度がかなり高いものもあれば、ライフスタイルや価値観によって変わるものもあります。
- 車に乗る → 自動車の対人・対物はほぼ必須
- 持ち家 → 火災保険は土台
- 自転車/子どもがいる/他人に迷惑をかける可能性がある → 個人賠償はコスパ最強になりやすい
本当に必要度が高い保険/人を選ぶ保険/優先度低めの保険
ここからは、あくまで考え方の一例ですが、保険を次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
A:多くの人にとって優先度が高い保険
- 自動車保険の「対人・対物賠償(車に乗る人)」
- 火災保険(持ち家の人)
- 個人賠償責任保険(自転車に乗る人・子どもがいる家庭など)
- 世帯主に子どもがいる場合の死亡保障(生命保険)
これらは、もし起きたときの金額が大きすぎて、個人の貯金だけではとてもカバーしきれないリスクです。
特に、他人にケガをさせてしまったり、相手の車や家を壊してしまう賠償は、場合によっては何千万円〜1億円以上になることもあるため、保険でカバーしておく重要度はかなり高めです。
- 起きた瞬間に「人生が詰む金額」なら保険で守る
- 頻度は低くても、被害額がデカいほど優先度は上がる
B:ライフスタイルや価値観によって分かれる保険
- 医療保険(貯金+高額療養費でどこまでいけるか)
- がん保険・三大疾病保険
- 就業不能保険・所得補償保険
- 民間の介護保険
- ペット保険
これらは、
- どれくらい貯金があるか
- 家族構成(単身か、共働きか、子どもはいるか)
- どこまで安心感をお金で買いたいか
といった要素で「必要度」が大きく変わる保険です。
- 「病気で収入が止まったら何ヶ月もつ?」を先に計算
- 貯金が少ないほど、就業不能の優先度が上がりやすい
- 医療/がんは「公的+貯金」で足りるなら薄く、足りないなら厚く
たとえば医療保険ひとつとっても、
- 貯金が十分あって、独身・子なし → 公的保険+貯金でカバーして、医療保険は最小限
- 貯金がまだ少なく、扶養家族もいる → 医療保険や就業不能保険の優先度が上がる
といった違いが出てきます。
C:人によっては優先度が低い/いらないケースも多い保険
- 貯蓄性の高い終身保険・学資保険・個人年金保険
- なんとなく「安心だから」で重ねがけしている医療保険
これらは、「絶対ダメ」というわけではありませんが、
- 手数料が高くて運用効率が悪くなりやすい
- 途中解約すると元本割れしやすい
- 保険と貯蓄が一体化していて中身が分かりにくい
といったデメリットもあります。
加入を検討する場合は、「なんとなく貯金代わりに…」ではなく、中身を理解したうえで選ぶのが大事です。
- 「貯蓄+保障」がセットで分かりにくく、コストに気づきにくい
- 途中解約で損しやすい(=身動きが取りづらい)
- まずは「貯蓄」と「保障」を分けて考えると整理しやすい
これから「各保険の深掘り記事」を増やしていきます
この記事では、保険の種類を大まかに整理して、
- 公的保険でどこまで守られているのか
- 民間保険にはどんな種類があるのか
- どの保険の優先度が高くて、どれが人によって分かれるのか
という「地図」の部分をまとめました。
今後は、ここで挙げた保険ごとに、
- 本当に入るべきか?
- どんな人には向いていて、どんな人には向いていないか?
- 入るなら、どのくらい・どんなタイプを選ぶのが現実的か?
といったテーマで、1本ずつ深掘り記事を増やしていく予定です。
- 生命保険|独身・子なしは本当に必要?いつから検討すべき?
- 医療保険|貯金と高額療養費があればいらないって本当?
- がん保険|入ったほうがいい人・いらない人の違い
- 自動車保険|対人・対物は「無制限」が基本って本当?
- 火災・地震保険|持ち家・賃貸で考え方はどう変わる?
- 個人賠償責任保険|月数百円で守れる「人生詰むリスク」とは
※実際に記事を公開したら、ここにリンクを追加していくイメージです。
まとめ|保険は「不安ベース」ではなく「数字ベース」で選ぶ
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- 保険は、公的保険 → 民間の人を守る保険 → 民間のモノ・事故を守る保険の3レイヤーで考える
- まずは、公的保険(健康保険・年金・高額療養費制度など)でどこまで守られているかを知る
- そのうえで、「人生が大きく崩れるリスク」だけを保険でカバーするのが基本
- 多くの人にとって優先度が高いのは、自動車の賠償・火災保険・個人賠償責任保険・世帯主の死亡保障など
- 医療保険・がん保険・就業不能保険などは、貯金額や家族構成・価値観で必要度が変わる
- 貯蓄性の高い保険は、中身を理解せずに「なんとなく」入るのはNG
不安だから全部保険で埋めるのではなく、
「数字」と「自分のライフプラン」をベースに、必要なところだけを保険で守る。
そんなスタンスで、これから一緒に「本当に入るべき保険」を整理していければと思います。






